レビュースポーツシーンや医療・介護など
歩くと筋肉を鍛えられる? 実は「歩くだけ」で色々な効果があることを知っていましたか?
「これまで運動習慣が無かったが、筋肉を鍛えると良いらしいので取り入れてみたい」
「まずは軽い運動から始めてみたいが、歩くだけでも筋肉を鍛えられるのだろうか…」
本記事では「歩く」行為がどのような効果をもたらすのかについて、調べた結果をまとめているので、参考にしてみてください。
目次
全身の筋肉は活動しているが、筋肥大はしにくい
結論をいうと、歩くことによって「筋トレ」のように筋力を大幅アップさせることは難しいです。
ですが、歩くことは「全身運動」になりますので、高い負荷は掛からないものの筋肉は活動しています。しかも、歩行時に使うのは脚の筋肉だけではありません。
・脚を上げるときは「腸腰筋」「大腿直筋」「前脛骨筋(つま先をあげる)」
・着地後、股関節が伸びるときには「大殿筋」「ハムストリングス(半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋)」などが活動
・腕を振ることで、「大胸筋」「三角筋」「菱形筋」などの筋肉も動きますし、上体を安定させるために体幹部の筋肉も使われています。
…まさに全身運動!
何気ない行動でも、大小さまざまな筋肉が活動していることがわかりますね。
ウォーキングは健康に様々なメリットをもたらす!
歩くだけというと、筋トレのように大きな負荷が掛かることがほとんどありません。そのため、「物足りないんじゃないの?」と思う方もいるでしょう。
ところがどっこい、ウォーキングは身体に様々な好影響をもたらすことが分かっています。
血流が促進され、老廃物の除去を促す
歩行時には全身の筋肉のうち、最大で約80%もが活動していると言われています。
身体を動かすことにより、筋肉のポンプ作用が働き血流が促進され代謝が向上します。
人間は起きている間、重力に対抗しています。
体内をめぐる血液も重力の影響をうけて身体の下部に多く溜まりやすいのですが、その巡りを助けるのが、ふくらはぎ(下腿)の筋活動による筋ポンプ作用です。
心臓の拍出だけでは限界があるため、筋肉の収縮⇒弛緩のサイクルによって血液をポンプし静脈内の弁が逆流を防いで心臓へ押し戻していきます。
脳の働きを活性化させる
脳が正しく働くために必要なもの。それは「十分な量の血流」です。
脳内の神経細胞は血流不足には弱く再生能力がありません。血流が十分であれば力を発揮し、足りなければパフォーマンスは大幅に低下してしまうという、とても繊細な器官が脳なのです。
そんな脳の活動を手助けしてくれるのがアセチルコリンといわれる神経伝達物質です。
実は「無理せずゆっくり歩くだけ」でも、アセチルコリン神経が刺激され脳内の血管が広がり血流が促進されることが分かっています。以下は、ラットを使った実験の結果です。
▷実験内容
ラットをランニングマシンの上を30秒間歩かせて、遅い・普通・速いの三段階ごとに海馬の血流と血圧を測定。
結果としては、どの歩行速度でも海馬の血流量は同程度上昇。
これは高齢のラットと若年のラットでも同様の効果があった。
アセチルコリンの分泌量を増やすことで脳が活動するために必要な量の血液量を増やし、より活動しやすいように出来るということですね。
【出展】東京都県子長寿医療センター研究所 「脳の働きに欠かせない血流とアセチルコリン」
より効果的に身体の調子を整えたい方は
歩くだけでも様々な効果があることは分かりましたね。
それほど負荷が大きくない運動だからこそ、手軽に取り組めて継続しやすいメリットがあります。散歩気分で近くの公園まで歩いてみたり、たまには知らない場所にまで歩いて行ったりするとこれまで気づかなかったことに気づくこともあるかもしれません。
この「気づき」も私たちの脳には良い刺激となってくれるので、歩くことの効果って凄いですね!