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リハビリで改善を目指す!めまい・ふらつきへの対処方法とは【藤沢御所見病院】
藤沢御所見病院では、日本でも珍しい「めまい・ふらつき」治療に力を入れております。
また、スポーツリハから通所リハの介護・外来の方まで年齢を問わずリハビリを必要とする方にマシンを活用。
目次
めまい・ふらつきにはリハビリテーションが有効
藤沢御所見病院では「めまい・ふらつき」の精密検査を行い、原因を診断。
原因疾患が分かれば薬物療法のみで治る場合もありますが、すぐに治らず体動時にふらつきが続くことが少なくありません。
これは、バランスの情報ネットワークが再構築されていないためと考えて「リハビリテーション治療によってバランスネットワークを刺激してやることが有効です。
めまい・ふらつきのリハビリにマシンを導入していますが、症状が改善するなど良い成績をおさめていて、患者様の評判も非常に良いです。
真っすぐ歩けないのは何故?身体バランスのメカニズムとは
私たちが真っすぐ歩けるのは3つの情報が小脳に伝えられ、そこから全身の筋肉にうまく「緊張」と「ゆるみ」の指令をだしてバランスを取っているからなのです。
内耳の働きは平衡感覚と聴覚ですが、高齢になると内耳の老化によって聞こえが悪くなるとともに、平衡感覚も低下していきます。聞こえの低下とバランスには関連性があると考えられており、米国の研究では「難聴を有する高齢者では転倒リスクが2.4倍に上昇すると」報告されています。
視力や筋力の低下も関係
歳をとると視力や筋力も低下するため、バランス情報がうまく伝わらなくなります。その上、最終的に脳からの指令によって身体のバランスをとる筋肉も衰えているために、歳とともにふらつきやすくなってしまうのです。
随伴症状(肩こり・頭痛など)にもこのマシンが有効
めまいと肩こりは密接に関連しており、めまいの患者さんの多くが肩こりがとても辛いと訴えます。
一方、頸肩腕症候群のような整形外科的疾患でも肩こり、頸部のしびれや痛みに加えてめまい・ふらつきも高確率にみられます。
めまいの場合には、頭の位置や身体を起こしたときに症状が起きやすいので、患者さんはその動作を極力したくないので動かないようにしてしまいます。そのため、首の筋肉を緊張させていることが多くなり痛みに繋がるのです。(首の筋肉を緊張させ動かさないでいると、そこに溜まった乳酸・老廃物が刺激となり痛みになる。これが頸部痛、頭痛の原因にもなる)
首の緊張による頭痛は、肩周辺の筋肉(僧帽筋など)が緊張することにより「きついヘルメットを被ったような」痛みになります。
したがって、肩こりがとれれば頭痛もウソのように無くなることも少なくありません。
このマシンをやっているめまい持ちの患者さんが「頭の重さがとれる、そのあと頭痛、目の奥の痛みもとれる」と喜んでくれたり、「耳鳴りが小さくなった」と報告してくれたこともあります。
めまい・ふらつきは「寝たきり」の原因として多い
超高齢化社会で寝たきりになる三大原因のひとつが、転倒と骨折です。
この転倒を引き起こす原因として高齢者のめまいやふらつきが非常に多いのです。
身体のバランスが崩れると倒れやすくなり、家庭内でもちょっとした動きで転倒・骨折を引き起こし寝たきりになってしまいます。さらに起き上がって動くめまいやふらつきが強くなるため、横になっていることが増え
結果的に筋力が低下しふらつきも増悪、持続するという悪循環に陥ってしまいます。
「歳のせい」にはしないこと ~必要な運動量とは~
リハビリテーションに必要な運動は「少し汗をかく」とか「少し疲れる」程度の強度が必要で、筋肉痛が出るくらいの動きを本格的にやらないと治療効果はあまり出ません。
めまい・ふらつきには運動が大事ですよ!と説明すると「私は家でよく動いていますが、それでもふらつきは治りません」と訴える患者様は多くいらっしゃいますけど、強度の問題なのかもしれません。
データ:2016年12月までにこのマシンでリハビリテーションを行っためまいの患者様は約60名、年齢の平均値は71.2歳と高齢で、8割以上が女性。
高齢者のめまい・ふらつきは適切な検査、診断、治療で治すことが可能なので、絶対に歳のせいにしてはいけません。
マシンの活用について
股関節に意識を向けさせる
通常、身体のバランスは足首、膝、股関節でとりますが、めまい・ふらつきの患者さんの多くは股関節を使わず足首ばかりでバランスを取ろうとします。
そのため、どうしても上半身の動きが大きくなるという特徴が出ます。
こういった方には、まず「インナーサイ」などを使って股関節を最初に動かします。股関節でバランスを取ればいいんだということが分かると、それだけでふらつきが減ったり消失する場合もあります。
意欲を湧きたてる
深部知覚への刺激も加わるので、患者さん自身が「自分も案外動けるんだ」と感じ、気持ちの面でも動機づけになったりします。めまいが起きたり嫌なことばかりだと動かなくなりますが、人間は動けるようになればもっと動こうという意欲が湧いてくるのです。
目で見た感覚と動かした感覚を一致させる
先に挙げたような効果を引き出すには、まず目で確認できるところまで少し動かしてみて「これだけ動くんだよ」ということを患者さんに実感してもらうことから始まります。
すなわち、目で見た感覚と自分で動かした感覚を一致させるという「感覚の一致」をまず目指すのです。
「仰々しい機械だから私には使えない」という抵抗感もあると思いますが、「あっ、使えるんだ」と動かすことに自信を持ってもらうきっかけにもなり、プロのスポーツ選手も使ってるらしいよと話すと余計自信になったりします。
そういうふうに活用しているので、車いすの方やほとんど寝たきりの方でもこのマシンだけはやっていく方も少なくありません。
このマシンは「この病気だから」とか「こういう怪我だから」という理由でやらせないということはあまり考えず、「とりあえず出来るならやったほうがいいですよ」「座れれば出来るんじゃない?」という感じで多くの患者さんに使ってもらってます。
患者さんが不調としているところを、このマシンで組み立てなおしていく手段として、さらに有効な使い方を追及していきたいと思います。