レビュースポーツシーンや医療・介護など
岡山から世界へスポーツとともに歩む~車いす陸上×ホグレル~
WORLD-AC(ワールドアスリートクラブ)は、株式会社グロップサンセリテが発足させた車いす陸上部。
「岡山から世界へ!!」を合言葉に、障がい者スポーツの普及のために陸上競技でのメダル獲得を目指しています。
チームの監督である松永さんは、競技者としてだけでなく社会人として自立した人間性の形成も大切にされています。
この度は、ホグレルの使用と障がい者スポーツについてお話を伺いました。
※本記事はホグレルスタイルvol.26の内容をWEB用に編集したものです。
目次
マシン導入に至った経緯
『若くない歳のなかで自分にできることは何か』
『可能性はもっとあるのではないか』
と考えている中で、『年齢にあったトレーニング』というものもあるのではないかと常に探していました。
そんな中で見つけたのがホグレルで、やってみたいと思うようになったのが始まりです。
ホグレルを使用したあとの体の変化とは
マシンを使用してからは、いろいろな変化を感じています。
選手たちは可動域が広がっただけでなく体をうまく使えるようになっていますし、自分の動きにも敏感になってより細かく動作を意識するようにもなりました。
例えば、生馬選手は以前は体が硬く小さい動きをしていましたが、現在は関節の可動域が広がり、大きく強い動きに変わりました。
感覚や反動で動かすのではなく、どこが悪いのかを自分で把握して軸の安定感も出せるようになっているようです。
これはホグレルの効果が大きいと感じています。
可動域が広がると体の動かし方も変化するため、その分は以前に比べてフォームなどのチェック項目は増えていますけどね(笑)
ホグレル以外の取り組みも大事
私たちは一か月に一回、栄養士さんと一週間分の食事チェックを行っています。
体重が減少すると体は軽くなりパフォーマンスは上がりますが、筋量が減り、コンディションが崩れるようでは意味がありません。
この食事チェックは『自分たちが必要なことをやりたい』という思いから取り入れています。
なぜそうするのかというと、時間も人員も限られているからです。
それゆえに、効率的なものだけをやっていきたいという考えのもとで物事を選択しています。
障がい者スポーツの今後について
ベースとなる問題は「普及」です。
「障がい者スポーツ」というだけで福祉の延長線上にあるようなイメージが強いので「障がい者」というだけで普通とは違う括りで捉えられがちだと思います。
障がい者スポーツは、元々は福祉と健康を管轄する厚労省が携わっていたことなどもあり、スポーツというより”福祉“といった世間の認識がまだまだあるように感じます。
でも、私たちは障がい者スポーツだからと特別視される必要はないと思います。
障がい者だからと言ってスポーツを始める事自体をすごい!と言わないで欲しいんです。一般の方がスポーツを始めて「始めたの?頑張ってね」といわれるのと同じでいいはずなんです。
とはいえ、陸上パラリンピアンが基準になる必要はなく、まずは健康増進といった感覚でパラスポーツに一歩踏み出せる世界に近づけたいですね。
それを引き上げる役を、私たちパラリンピアンが担えればと思っています。
WORLD-ACの今後
これからの目標は、チームの存続、チームの運営。この2つです。
日本国全体を引っ張っていく!と言いたいところですが、まずは岡山県内でのパラスポーツの牽引となれるようなチームになりたいですね。
単にスポーツ選手としての牽引役ではなく、社会人としてきちんと仕事もこなしスポーツもする、このような生き方ができるという証明をしていきたいと思います。
スポーツをしている時間は人生の中でごく僅かです。
しっかりと社会人として自立した人間性を形成しつつ、スポーツと共に歩む。
これを体現していきたいですね。